go.opentelemetry.io/*のversionを上げたらCloud Buildで怒られた
起きたこと
任意のrenovate差分をmain mergeしてCloud BuildでCloud Run Servicesをデプロイしていた際、任意のService deployで「Cannot merge resource due to conflicting Schema URL」というエラーが出てデプロイに失敗した。
原因
go.opentelemetry.io/contrib/detectors/gcp
のversionが、それ以外のgo.opentelemetry.io/*
に対してかなり古かった。
## AsIs go.opentelemetry.io/contrib/detectors/gcp v1.11.1 go.opentelemetry.io/otel v1.16.0 go.opentelemetry.io/otel/sdk v1.11.2 go.opentelemetry.io/otel/trace v1.16.0 ## ToBe go.opentelemetry.io/contrib/detectors/gcp v1.11.1 // renovateでversion upされず go.opentelemetry.io/otel v1.23.0 go.opentelemetry.io/otel/sdk v1.21.0 go.opentelemetry.io/otel/trace v1.23.0
対応
2024年3月時点での最新versionにgo.opentelemetry.io/contrib/detectors/gcp
のversionを上げた。これでデプロイが成功。
go.opentelemetry.io/contrib/detectors/gcp v1.24.0 go.opentelemetry.io/otel v1.24.0 go.opentelemetry.io/otel/sdk v1.24.0 go.opentelemetry.io/otel/trace v1.24.0
graphql-schema-linterの静的解析をGitHub Actionsで利用する
概要
- graphql-schema-linterをGitHub Actionsで実行し、特定の配下に存在する
.graphql
ファイルの静的解析を行う。 - PR差分を静的解析の対象とするためにreviewdogを利用する。
動機
RESTを採用していた前職の現場と異なり、現職の現場ではGraphQLがクエリ言語として採用されていた。
ただ、GraphQLの作法に疎い自分としては、静的解析の力を借りたかったので、localやActionsで上記linterを実行することにした。
YAMLファイル
.github/workflows
ディレクトリに今回のlinter用のファイルを新規作成する。
name: graphql-schema-linter on: pull_request: paths: - "**/*.graphql" jobs: graphql-schema-linter: runs-on: ubuntu-latest name: runner / graphql-schema-linter steps: - name: Checkout code uses: actions/checkout@v3 - name: Setup Node.js uses: actions/setup-node@v3 with: node-version: "16" - name: Setup reviewdog uses: reviewdog/action-setup@v1 with: reviewdog_version: latest - name: Lint graphQL schema env: REVIEWDOG_GITHUB_API_TOKEN: ${{ github.token }} BASEPATH: ${{ github.workspace }} run: >- npx graphql-schema-linter "**/*.graphql" --format compact | reviewdog -efm="%f:%l:%c %m" -reporter=github-pr-review -filter-mode=diff_context
綺麗な書き方ではないが、こんな感じで動作するはず。環境変数はよしなに。
上記では.graphql
ファイルの変更差分がpull requestされたら、.graphql
ファイルすべてを静的解析した上で、結果をformatterにかけてreviewdogに食わせている。
graphql-schema-linterのデフォルト出力のformatは、
5:1 The object type `QueryRoot` is missing a description. types-have-descriptions
みたいな感じで、このままではreviewdogに食わせられない。
-format compact
オプションをつけてやれば自作のformatterスクリプトなどを介さずとも %f:%l:%c %m
形式で解析結果を吐けるため、reviewdogにはこの形式で入力してやる。
app/schema.graphql:5:1 The object type `QueryRoot` is missing a description. (types-have-descriptions)
reviewdogのオプションを -reporter=github-pr-review
指定することで、PRに解析結果をコメントしてくれる。
おわりに
GraphQLと仲良くなろう。
ベストバイ2022
はじめに
FASHIONSNAP.COMが毎年12月に公開しているベストバイ企画が大好きなので自分でもやってみる。
余談だが、先日取材を受けた際に繊研新聞の記者さんにも「ベストバイ企画お好きですよね」とバレていて恥ずかしかった。
衣料品・ルームアイテム
Carol Christian Poellのオーバーロックサルエル
CCPのアイテムは今まで1つも持っていなくて、オーバーロックやデッドエンドのアイテムを買ってみたかった。 本命はオブジェクトダイスニーカーだったが、偶然試着したらしっくりきたのでサルエルを購入。
CCPというかアルチザンブランド全般に言える話だが、基本的にアルチザンブランドの服は作りがタイトだ。特に海外の製品はおしなべてタイトで、アームホールに腕すら通らないこともある。CCPも定番ジャケットなどタイトな作りだが、このサルエルは比較的ゆったりしていたので買ってもいいかな、と思った。
本当は、同時に試着したCCPのレザーボンバージャケットが欲しかった。このジャケットは袖を通した瞬間に最高で、レザーアイテムながら肘肩の稼動に一切ストレスがなく、CCPのアウターを買うならこれしかないと思った。ネックはシンプルに値段で、とてもその場で即決できるような金額ではなく、泣く泣く見送った。CCPのアイテムは市場に安定供給されておらず、もう二度とマイサイズを目にすることはできないかもしれない。
もしものための貯金は大事、という(何度目かの)学びを得た。
CODY SANDERSONのOverwrapping Single Arrow
CODYはバングルとリングを元々持っていて、さらに買い足した形。体積のあるシルバーアイテムが好きで、ワークスタットミュンヘンやトビアスウィスティセン、HENSONなどのリングを買ってきたが、大きいサイズのリングを求めてときどき阪急メンズ東京に足を運ぶ。
このSingle Arrowは大振りだけど腕(アーム)部分の幅が小さいので、指の肉を圧迫しないところが気に入った。本当はDEPP STARとか着けたいので、次は買うかもしれない。
Rick Owensのカーフスキンローカットスニーカー
Rick Owensのサルエルパンツを履くことが多いので、足元も同じような雰囲気でまとめたく、Rickの短靴を買った。足が疲れるのが嫌で革靴を頑張るという選択肢はなく(とはいえ来年は頑張りたい)、CCPのスニーカーを断念した結果Rickに落ち着いた。
このローカットスニーカーはジオバスのように主張しないデザインなので、Rick以外の服にも合わせやすい。ソールからバニラの匂いがするのが心地よく、しばらく枕元に置いて寝ていた。
steinのオーバーサイズシャツ
steinは2021年の山口一郎さんのベストバイで知った。セットアップは持ってなくて、シャツを数着買って通年着回した。steinのシャツで好きなのは、一番上までボタンを止めても首にストレスがないのと、袖にボリュームがあるので袖まくりしても「やったるで!」みたいにならなくて良い。
CdG Homme Plusや山内のシャツも着るんだけど、来年もメインはsteinだと思う。
Graphpaperのジャケット
steinのシャツの上に羽織れるジャケットを探して行き着いた。
steinで買い求めても良かったのだけど、袖を通したときにあまりにもしっくり来たので即決で購入。上述のとおり、steinの服は袖にボリュームがあるので、普通のジャケットが羽織れないのです。暑がりなので、さっと丸めてバックパックに入れられるのも高得点。
RAINMAKERのプリーツカットソー
RAINMAKERは元々カットソーを持ってて、また何か買いたいなと思っていた。オフィシャルサイトで本品を見かけて面白いなと思ったが、どこを探しても欠品で、やっとマイサイズをフリマサイトで購入。
なんだか健康診断や人間ドッグで着る室内着みたいな着心地で面白い(もともと、あんな着心地のゼロストレスな服どこかにないかな、とちょっと思ってたし)。
Braun×Fragmentの置時計
中学生くらいから使ってる目覚まし時計を新調した。多分親がケーヨーデイツーとかで買ってくれたもの。
すでに目覚まし時計として運用してなくて、仕事机の上に置いていたのだけど、あまりにボロボロになってきたのでリプレイスした。前からBraunやヤコブセンの時計を部屋に置こうかなとは思っていたし。
Fragmentコラボにした強い理由はないのだけど、しいて言えば山口一郎さんの部屋に壁掛け時計があったので「コラボモデルあるんだ」と気になったから。ひとつエピソードがあるだけで、アイテムには愛着がより湧くと思う。
APOTHEKE FRAGRANCEのINCENSE STICKS
お香(線香)。奥さんに買ってもらった。
もらったのはNew Dayというムスク感の強いやつ。もともと線香はリスン青山でずっと買ってたのだけど、APOTHEKEは「花火?」ってくらいでかい線香で面白い。着火するとボーボー燃えるので毎回ちょっと怖い。専用の台座がないと運用難しいので、買う場合は台座も一緒に買うと良い。
本
成城だより(大岡昇平)
今年一番読んだのは大岡昇平の著作だ。その起点になったのが『成城だより』で、これは「文学界」で80年から86年まで断続的に連載された日記調エッセイである。
わたしが生まれる前の連載なので当然同時代的な本作の社会的受容について知る由も無いが、文学史的には三島や安部公房、堀田善衛ら第二次戦後派に属する明治生まれの大岡が、YMOやコムデギャルソンといった”ナウい”カルチャーに軽々と触れていく様子は痛快だ(前者は坂本龍一の父・坂本一亀、後者が吉本隆明と埴谷雄高のコムデギャルソン論争をきっかけとした確たる文脈があるとはいえ)。
今年の後半は大岡昇平を起点に、小林秀雄を読み返したり(元々『上伊那ぼたん』の関係で小林秀雄のゴッホ論を年頭に読んだりはしていた)、中原中也、埴谷雄高、三島由紀夫らを積極的に読むなど文学的にモチベーションを高く持てた。来年も大岡昇平はよく読むと思う。
トーフビーツの難聴日記(tofubeats)
エッセイ大好き人間なのでこれも面白かった。とにかくなんでも書いてくれる。ずっと不動産の管理会社と揉めてて、アーティストの”人間”の一面を120%楽しませてもらった。REFLECTIONを聴きながらニマニマ読みました。
ショットとは何か(蓮實重彦)
黒沢清監督の映画も好きだが著作も好きでよく読む。ところで黒沢監督といえば青山真治監督(2022年3月に残念ながら急逝……)とならぶ蓮實門下で、たびたび蓮實重彦に言及してたり、鼎談集『映画長話』も楽しい。
で、蓮實先生はしばしば「ショット」という概念を用いて映画を評するが、その「ショット」とは結局なんなのか? という本が本書。本書を読んで蓮實ショットを得心できるかどうかはさておき、彼自身がこれだけ「ショット」について主題的に語った本も今まで無いように思う(根拠なし)ので、興味があれば一読をおすすめします。古い映画の話もたくさん読めて良い。
対談集 歴史を考える(司馬遼太郎)
今年は司馬遼太郎が個人的再ブーム。
もともと学生時代に幕末モノを数作読んでたり、宮崎駿の著作を読み込んでいた時期に宮崎・堀田善衛との鼎談『時代の風音』を読んだりはしていたが、今年は子母澤寛を読んだあたりから謎に再燃した。
対談集を読んでると、わたしは歴史に関する教科書的な知識が本当に欠損しているなと頭を抱えることが多い。学生時代からそれは分かっていたものの、絶望的に暗記が苦手なため、歴史と化学式はすべて無視して生きてきたツケである。高校受験でお世話になった、『自由自在社会』(受験研究社)でもまた買おうかなぁ、なんて思ってしまう。
平成金融史 バブル崩壊からアベノミクスまで(西野智彦)
わたしは平成生まれで、バブル崩壊から向こうずっと経済成長してないとかロスジェネとか不景気な文言を目にしながら生きてきた。
生きてきたが具体的にどんな金融政策が行われて今に至るのか何もマジで知らないし、そんな状態で報道を読んでもなんもわからないので流石に勉強しようと思って本書を手に取った。まずタイムラインに沿って「何が起きていたか」を知るなら本書は最良かも。
「憲法改正」の真実(樋口陽一、小林節)
金融もわからなければ憲法もわからない。
本書の中で「憲法って法律の親玉だと思ってる人すらいる」みたいな文言が出てくるが、自分の憲法理解もそれに毛が生えた程度だった。実際に、学生時代に芦田均の『憲法』を挫折している。
改憲論・護憲論の両雄が冷静に対話をすすめつつ、「今自民党に改憲させるのはまじでやばい」と随所で憤る本書は非常にスリリングかつ学び直しにうってつけだ。
アニメ制作者たちの方法 21世紀のアニメ表現論入門(高瀬康司)
面白い本だ。しかし(アニメ)業界人以外が読んでも面白いかはわからない。それくらいインサイダー向けの仕上がりである。 アニメスタイルやMdNよりも突っ込んだ内容が多いのは、技術的な話題やアニメ史的な話題、(比較的)若手のプレイヤーに関する情報がある程度読者に共有されている前提で書かれているからかも。
しかしアニメインサイダー以外にも勿論おすすめの本である。
22/7 あの日の彼女たち Animation note(アニメスタイル編集部)
この本を待っていた。しかしこのような本が刊行されるとは思っていなかった。
『22/7 あの日の彼女たち』は若林信監督による、1本数分のアニメーションPV連作で、現在もYouTubeで閲覧できる。個人的に、『上伊那ぼたん』を描くときはひとつの理想形として『あの日』を念頭に置いており、どのようにこの連作が作られたか大変興味があった。
本書を読むことで何らかの具体的な技法を盗めはしない。本書はそういう性質のムックではない。しかし、開くたびにワクワクし、また感動する。『「リズと青い鳥」原画集』や『合本 異国迷路のクロワーゼ』のように、仕事机に常に置いておきたい一冊だ。
マン・マシンの昭和伝説(前間孝則)
YouTubeで本田宗一郎についてのゆっくり解説を見ていたとき、この本がリファレンスされていた。
かなりの大部であり、『風立ちぬ』で描かれた中島や三菱の戦闘機開発から話が始まるため、日本の自動車開発史を期待した読者は面食らうだろう。本書は自動車、二輪車についての記録でなく、内燃機関を中心とした記録である。
2022年現在、百年に一度の動力革命として内燃機関から電動機に自動車の心臓が推移しつつある。この流れはおそらく止まらないだろうが、臭く、五月蝿い内燃機関は本当に最高だという感情を盛り上げてくれる力作だ。
現代ロシアの軍事戦略(小泉悠)
ルパート・スミスは『軍事力の効用』の中で、「もはや戦争は存在しない」と書いた。小泉悠は2022年12月に上梓した新刊『ウクライナ戦争』の中でこの未来予測と現実が大きく逸れだしたことを指摘している。
2022年2月に始まったウクライナ戦争は、早期終結せず1年近く継続している。個人的に、2月当初の混乱期を経て、日本の報道や世論はやや落ち着きを取り戻し(!)、関心の程度も下がりつつあるように感じる。
わたしは隣国の開戦におおいに動揺した無知な人間のひとりで、あらゆる報道やSNS上の情報について「なんもわからん」状態であった。憶測や断定調の言説がサイバースペースで奔流するなか、一切の仮説も判断も立てられず、呆然とするほかなかった。
何事もそうだが、「なんもわからん」状態のとき、まずその状態を受け入れること。そして「なんもわからん」から「すこしわかった」状態に移行するためには、事実を積み上げるしかないということ。この戦争についても、それを少しずつしていった。今もしているところである。
モノリスからマイクロサービスへ(Sam Newman)
マイクロサービス関連の書籍は『マイクロサービスアーキテクチャ』(Sam Newman)、『プロダクションレディマイクロサービス』(Susan J. Fowler)ときて本書。またもSam Newmanの著作。
脱マイクロサービスを選択するプロダクトもしばしば目にするが、まだまだ選択肢としてマイクロサービスは俎上に上がり続けるだろうし、現実的に向き合っていく必要があるので、関連書籍は常時読んでいる。 あわせて、『マイクロサービスパターン』(Chris Richardson)も読んでいて、いずれもSamの『マイクロサービスアーキテクチャ』を読んだあとに読む(もう少し実務的な)本としておすすめ。
情報工学レクチャーシリーズ 分散処理システム(真鍋義文)
ちゃんと分散システムと向き合えるエンジニアになりたい。なりたいが、『Go言語による分散サービス』(Travis Jeffery)とかアプリ寄りな著作だけでなく、もっと情報工学的に基本から向き合いたくて教科書を買った。あわせて、『デジタルシリーズ 分散システム 第2版』(水野忠則)も併読。
冒頭に「最近の学生の学力低下を考慮した」って書いてあって泣いちゃった……。
緑の歌 - 収集群風(高妍)
漫画。台湾のイラストレーター高妍先生の単行本。日本のロック黎明期に活躍したバンド「はっぴいえんど」を愛聴する少女を瑞々しい感性(こういう形容をしているわたしは全く愚鈍な感性をしていると思う)で描く意欲作。
わたしも台湾文化に強い関心を持っていて、実際に『上伊那ぼたん』でも少しずつ台湾に言及している。一度しか訪れたことがないので、子供がもう少し大きくなってCOVID19も落ち着いたらまた行きたいな。
東京ヒゴロ 2巻(松本大洋)
1巻を超えるパンチ力。間違いない。ただ、わたしは漫画家なので、漫画家や編集者以外の人が本作を読んでどの程度「食らうのか」、まったく未知である。
最高。
ブランチライン 3・4巻(池辺葵)
最高2。池辺先生の作品はおそらく全部読んでいて、一番好きなのは『繕い裁つ人』なのだが、ブランチラインもバキバキに食らう。
実際に『上伊那ぼたん』の画面について最も影響を受けているのは池辺作品だと思う。「どこが?」と思われるかもしれないが。
あれよ星屑 全7巻(山田参助)
これも食らった。元々Amazonのおすすめ欄にしばしば表示されて気になっていたんだけど。
漫画について「映画のようだ」と評することに価値はないと思うが、それでも「映画のようだ」と貧困な語彙を晒さずにはいられない。それは、わたしが敗戦後の日本における新時代の芽吹きをエネルギッシュに、そして昏い時代の払拭できない記憶を十分なノワールさで描いた漫画を知らず、どちらかといえばそれは深作欣二『仁義なき戦い』や『仁義の墓場』、あるいは小津『風の中の牝雞』のような戦後の混迷的な、過酷な世情を映画から享受してきたからだろう。
現代において、このような作品が書かれたことに驚嘆と感動を禁じえない。
茶箱広重(一ノ関圭)
井上さんや沖浦さんのようなスーパーアニメーターの方が称賛する寡作の天才作家・一ノ関圭先生。
『らんぷの下』は読んでいたのだけれど。画力については勿論わたしなどが申し上げることはなにもないのだが、「茶箱広重」と呼ばれた実在の二代目広重についてそもそも知らず、「こんな人がいたんだなぁ」と。
あまり記録が残っていない、謎の多い二代目広重について、このようなドラマを展開できる一ノ関先生の筆力に脱帽。
クライマーズ・ハイ(横山秀夫)
今年の前半は横山秀夫を結構読んだ。そのきっかけが本作。
もともと本作を知ってはいたし(映画は未見)、123便墜落事故にも関心を持っていた(余談だが、123便の事故を題材にした文学として山崎豊子『沈まぬ太陽』もおすすめ。私は『大地の子』で小学生の時にやられたクチである)。
新聞記者が主人公という設定は知っていたので、ガンガン取材していく話かとおもったが、実際には地方新聞社における社内政治や、さまざまな記者の心情描写がメインである。横山先生がもともと上毛新聞の記者ということで臨場感あふれる本文は手に汗握る。貴志祐介『黒い家』でも同じような読書体験だった(貴志先生は元・朝日生命保険勤務)。
おわりに
来年は何を買うのかな。